先日、ちょいと用事があって久々に私を担当してくれた営業さんに会いました。
久々ということで少し話し込みましたが、変わらず元気そうでした。
コロナ時期はめちゃくちゃ暇だったようですが、いまはかなり忙しいとか。
むぅ、やはりこの男やりてである。
前にも話したことありますが、私の営業さんはとっても勉強熱心だし誠実な人でした。
クロセの家づくりはこの人なしでは成功しえなかったと思います。
温熱環境において、訪ねた担当さんの中では一番適切な回答をしてくれた方でした。
そんな営業さんから最近のアイ工務店について聞きましたが、会社全体としても順調なようで、今度は北陸三県に進出するみたいです。
あの辺りはこちらより気温は低いし雪も降る地域だったと思います。
アイ工務店は今まで温暖な地域が多かったと思いますが、この地域では成功するのか?
オーナーとしては頑張ってもらいたいですねぇ。
さて、本編入ります。
今回営業さんと久々に会った理由はこいつを受け取るためです。
そう、耐震を診断した計算資料です。
こいつの中身を見て、アイ工務店が耐震等級のためにどういうことをやっているか見てみようかなと思います。
正直、耐震に関する話はあまり詳しくないため、感覚的な話になりますが
結論から言いますと、アイ工務店は品確法で計算してるっぽいです。
許容応力度計算はしていない様子。
耐震等級はちゃんと出してくれている
ローコストメーカでよくある例として「耐震等級3相当」というものがあります。
これは、耐震等級3を満たしているわけではありません。
いかにも3をとっているように見せていますが、等級2の可能性もあります。
もし3が必須と考えているなら、必ず何かしらの形で計算してもらいましょう。
アイ工務店は希望する等級が取れるように計算してくれます
3を希望すれば耐震等級3相当ではなく、耐震等級3となるわけです
追記:正しく耐震等級3をとるためには許容応力度計算が必要なようです。
そういう意味では、クロセの家は耐震等級3相当といえるでしょう。
こちらは計算書の表紙ですが、見てわかるとおりクロセの家は耐震等級3を基準に計算してくれています。
ついでに耐風等級も2(最高値)で計算してくれていますね。
ちなみに耐震等級には「倒壊等防止」と「損傷等防止」の2種類あるようです。
それぞれ、以下のように定義されていました。
「倒壊等防止」と「損傷等防止」
「損傷防止」とは、数十年に一回は起こりうる(一般的な耐用年数の住宅では遭遇する可能性は高い)大きさの力に対して、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないようにすること。
「倒壊等防止」とは、数百年に一回は起こりうる(一般的な耐用年数の住宅でも遭遇する可能性は低い)大きさの力に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないようにすること。
参照元:評価協会 耐震等級(構造躯体の損傷防止)より
上記は耐震等級1の基準であり、等級2であれば1の1.25倍、等級3であれば1の1.5倍の力に対して耐えることができます。
話がそれましたが、アイ工務店は1棟1棟この計算を必ずしてくれます。
ただし、地震保険で優遇を受けるためには、第3者機関に評価を受けて耐震等級3と認定される必要がありますのでご注意ください。
たしか長期優良住宅の申請を受ければ評価されたかと思います。
(クロセは長期優良住宅の申請をしていないため正確にはわかりませんが)
まとめると、アイ工務店は構造計算をし、耐震等級を出してくれます。
追記:正確には構造計算とは許容応力度計算のことを指すようです。
つまり、アイ工務店は構造計算をしていないともいえるようです。
ちなみに以下のような情報ももらいました。
いつもブログ読ませて頂いています。
— BSBLcoaches (@BLcoaches) 2020年11月17日
許容応力度計算でのオプション費用は長期優良の申請費用と同じでしたよー
ちなみに品確法の計算書は要望しなくても貰えましたか?
どうやら長期優良住宅の申請とセットになっているっポイ?
というか、長期優良住宅の申請に許容応力度計算が必要なのでセットになっていると予想。
許容応力度計算はしているの?
耐震性についてある程度学んだ人は、おそらく許容応力度計算がされているかどうかが気になるかと思います。
結論から言うと、アイ工務店は品確法と呼ばれる法律で決められたルールに沿って計算をしてるっぽいです。
(クロセが詳しくないため、正確な情報はアイ工務店に聞いてください。)
許容応力度計算が何ぞや?という人は以下のページを参照してください。
私もあまり詳しくないのですが、地震を想定した際に、主要な構造部材にかかる応力を計算し、その部材が耐えられるかをみるのが許容応力度計算だそうです。
そして、アイ工務店からいただいた資料をみると、こんなページがありました。
この辺をみると、1枚目の表題が「使用材料と許容応力度」となっていることから、一部は許容応力度計算はされているかも?
営業さんいわく、クロセの家はスキップフロアとハーフ収納のを組み合わせている箇所が構造的に弱いと想定されるため、この辺りを許容応力度計算しているとか。
真偽は不明ですが…
他の箇所はかなり余裕をもって壁を設置しているため、品確法での計算と聞きました。
(重ね重ね言いますが、クロセは耐震性について詳しくないため正確な情報はアイ工務店に聞きましょう。)
ちなみに目次をみるとこんなことやっているみたいです
項目をみると、ちょうど品確法で必要な項目が計算されているようでした。
まとめると、アイ工務店の耐震等級は基本的に品確法で算出しているが、判定が微妙な箇所は許容応力度計算をしているとのことでした。
終わりに
今回はアイ工務店の構造計算について書いてみました。
まとめるとこんな感じです。
アイ工務店の構造計算
・基本的に品確法で計算をしている
・微妙なところは許容応力度計算をしているっぽい
・耐震等級、耐風等級が要望を満たせているか判定してくれる
動画やブログを見ていると、許容応力度計算の耐震等級3>品確法の耐震等級3になるようですので、不安な人は第3社機関に出してもらうなり、全部材に対して許容応力度計算をしてもらうなり要望を出してもいいかもしれません
標準外のオプションになるのでコストはかかると思いますけどね。
ついでに言っておくと、許容応力度計算の耐震等級3>品確法の耐震等級3ですが、品確法の耐震等級3でも弱いというわけではないようです。
実例として、熊本地震で震度7が2度あった益城町には耐震等級3の建物は16棟ありました。
うちいくつかは許容応力度計算をされていない建物だったそうです。
その結果は14棟が無被害、2棟が軽微または小破の被害だったそうです。
これをみると、許容応力度計算であっても品確法であっても耐震等級3があれば大地震にもある程度耐えてくれるようです。
ただ、許容応力度計算の耐震等級3>品確法の耐震等級3であることは事実のようですので、業者を選ぶ際の基準として覚えておくといいと思います。
追記:本記事について、鳥取県の工務店やまのすみかの社長であり、家系ブログを盛り上げる会の会員でもある田上さんからコメントをいただきました
許容応力度をしない場合、梁せいとか基礎は事前に決められたスパン表というのを使うんですが、梁せいとかは許容応力度で計算したほうが手っ取り早かったりするんです。基礎だけ、梁せいだけ、みたいに部分的に許容応力度計算をして、建物全体は品確法の3で通す、みたいなケースは多いと思います。
— 田上知明@やまのすみか株式会社 (@yamanosumika) November 17, 2020
このツイートやこの前後の会話など参考になることが多いので、興味がある方はご参照ください。
では。
コメント