営業のまやかし・ごまかし集 ~気密断熱関連~

高気密・高断熱
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新年あけましておめでとうございます!
もう一週間以上たってますけどね…

皆さん、年末年始はどのように過ごされていたでしょうか?
私は寝正月…と行きたかったのですが、息子が朝早くに起きてしまうため、毎日のようにそれに付き合って起きて散歩に連れて行っていました。(´∀`;)

おかげで休みが終わった後も朝早く起きるのが辛くなかったですけどね!

あとは毎週の習慣として、家の工事現場にも顔を出しました。
年末年始だというのに大工さんはいつも通り働いてくれており頭が上がりません。

さて本編入ります。

2020年一発目のお話は営業のまやかし・ごまかし集。
一発目からなかなか不吉なタイトルですね。(;´Д`)

ことの発端は「家系ブログを盛り上げる会」の会長びびさんがした一連のツイート。

ツイートを見にいくといろいろなNGワードが出てくる出てくる笑。

このツイートをみて自分も営業さんにいろいろ言われたなあーっと思い出しまして、書きたくなっちゃったんですよね。

当時は営業に何かを言われてもそうなんだぐらいにしか思いませんでしたが、勉強をした後に思い出すと結構突っ込みどころある話でした笑。

ただ、普通にごまかされた話を書いてもびび会長と似たり寄ったりになるので、このブログらしく気密断熱関連のまやかし・ごまかし集を書いてみようと思います。

他のブログで見かけたものや、実際に言われたものまでいろいろです。

では早速書いていきます。

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うちの家は断熱等級4なので快適ですよ

ハウスメーカに断熱性について問い合わせると、結構こう返ってくると思います。
もしくはZEHを取得できるので快適ですよという場合もありますね。

ZEHはまだしも断熱等級4で快適かと聞かれると、温熱に詳しい先生方はみんな首をひねられることでしょう。
ZEHも快適というよりは、不快ではないというレベルだと思います。

そりゃ何十年も前の断熱材が入っていないような家に比べたら断熱等級4でも十分に快適に感じるでしょうが、断熱や窓が進化した今となっては断熱等級4は最低限というイメージです。
当然、断熱等級4未満の家は買うべきではありません。

もし上記のように返されたら「UA値はどれくらいになりそうですか?」と聞いてあげるといいでしょう。

それで明確な答えが返ってこないようであれば、断熱に関してあまり自信がないか、営業が不勉強な可能性が高いです。

ちなみにUA値の基準ですが、断熱等級4で0.87です。
ZEHは地域によって基準が異なりますが、1・2地域だと0.4以下、3地域だと0.5以下、4以降は0.6以下となっています。

これさえ答えられないようでは営業失格です。

コスパを考えるとZEHぐらいでも十分という人はいるかと思いますが、いろいろなブログを読み漁っているHEAT20のG1は必須クラス、余裕があればG2クラスを狙ったほうがいいなと感じます。

UA値(Q値)、C値は家ごとに違うのでこの場では言えません

これも結構言われることが多い気がしますし、嘘とは言いません。

しかしながら、ホームページやカタログにスペックを出している一条工務店のようなメーカがあるのも事実です。

このカタログスペックを、いい値が出るように設計していると揶揄するメーカもいますが、クロセがアイ工務店と契約する前にUA値についてお話させていただき、おおよそその通りになったという経験があります。

つまり、知識と経験があればどの程度に収まるかというのは予想できるのです。

なぜなら、UA値やQ値、特にUA値は形状、大きさによって多少変わるものの、基本的には断熱材や窓の仕様に大きく依存するためです。
(Q値は換気に熱交換型を使用するかどうかで結構変わる)

断熱材や窓の標準仕様はメーカごとにある程度決まっているはずのため、本来であればUA値やQ値がどの程度になるか公表できるはずなんです。
そもそもそういうメーカでもUA値に基準があるZEHを謳っているわけですしね。

ではC値に関してはどうでしょうか?
こちらは施工した現場を測定することで出てくる値のため、あらかじめ公表するのは一見すると難しそうですね。

しかし、こちらも普段から気密測定を行い、何度も値を取得していればおおよそどの程度のC値に仕上がり、最低これぐらいは保証できるというのはわかるはずなんです。

つまり、C値を公表できないというのは気密測定をしてないのは当たり前だし、それを保証できるような施工をしていないとも見れるわけです。

結局のところ、UA値やC値を公表しないというのは自信のなさや知識のなさを表しているといってもいいと思います。
(本当にいいか悪いか別として)

今まで重視されなかったという背景もあるかと思いますが、今はこれらの値を重視されるようになってきていますし、各メーカが基準となる値を公表してくれることを願うばかりです。

気密測定はお金の無駄なのでお勧めしません

個人的にはこんなことを言うようなメーカで家を買うことこそお勧めできません。

興味ない人にとっては確かに無駄と思う人もいるでしょうし、そのお金で設備を追加したいという人もいるかと思います。

しかしながら、気密測定は家が丁寧に施工されているかを確認する大事なものです。

また、これがあるからこそ、大工さんがより緊張感をもって施工に臨むことでしょう。
(もちろん、これがなくても大工さんが手を抜くとは思いませんが)

どうしてもやりたくないというメーカがいれば、それは気密性に自信がないか、測定の手間をかけたくないというメーカでしょう。

高気密高断熱を目指すのであれば、このようなメーカは避けたいものです。

うちの家は冬に無暖房・夏に無冷房でも快適ですよ

はっきり言って、そこら辺のハウスメーカではこんな家は建てられないでしょう。

これについてわかりやすいのは、ハウスメーカの中でも随一の断熱性を持ち、気密性も非常に高い一条工務店が全館床暖房とエアコンを標準で装備していることだと思っています。
(一条工務店の全館床暖房は過剰と思っている部分もありますが)

本当に無暖房無冷房で快適な家ができるというなら、一条工務店がわざわざこんな設備を標準にする必要がないわけであり、無暖房無冷房なんて言うのはそう簡単にできるものではないということですね。

そもそも断熱性や気密性をどんなに上げたところ、家が勝手に熱を出すわけではありません。
あくまで部屋の熱が逃げにくくなるだけなのです。

日射を取り込んで部屋を温めたり、逆に日射を遮ることで部屋の温度を上がらないようにするという手法はあるし、その方法は実際にとても有効です。
(パッシブデザインというのがこの考え方です)

ただ、それで無暖房無冷房をするにしても、断熱性や気密性を最大限確保したうえで、日射や気候、構造を緻密に計算することで成り立つものです。

はっきり言って、断熱性・気密性がそこまで優れているといえないそこらのハウスメーカがこんなことをいうのは嘘といっても過言ではありません。

樹脂サッシだと劣化してしまうのでアルミ樹脂複合サッシにします

アルミ樹脂複合サッシを使用しているメーカがよく言う話ですね。

クロセは実際に樹脂サッシと複合サッシの劣化について比較実験をしたわけではないので、明確なことは言えないしエビデンスを出すことはできません。

ただ、何十年と同じ家を使用される海外では樹脂サッシが当たり前のように使われています。
(ドイツ、アメリカ、イギリス、フランス、韓国では普及率60%越えとか)

それに、もし本当に耐久性がなく使いづらいのであれば、樹脂サッシを専門にしているエクセルシャノン社が会社として成り立っていることはおかしなことではないでしょうか。

他の窓メーカも高価な樹脂サッシをわざわざ作るでしょうか?

加えて言うと、こんなことを言っているメーカが、寒冷地では標準として樹脂サッシを使っているということもあります。

本当に樹脂サッシの耐久性がないというなら、いろいろと違和感を感じますよね。

これをどう解釈するかは人それぞれですが、クロセはアルミ樹脂複合サッシを売りたいメーカ側がそれらしい理由をでっちあげているとしか思えません。

もしくは樹脂サッシが耐久性に劣るといっても、長く住むには十分なほど耐久性があるものだと思っています。

樹脂サッシなので温かいです

嘘です(直球)。

サッシが樹脂のほうが、アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシよりも断熱性が高いことは確かですが、それだけで温かくなるというわけではありません。

各断熱材がどの程度入っているかというのも大事ですし、日射の取得がうまく利用されているかというのも大事です。

エアコンが適切に配置されているかというのも大事な要因です。

まだ、どんなにいい部材を使っていても、施工が雑で気密性が低いと効果が薄くなってしまいます。

採用されているサッシが大事なのはもちろんですが、全体としてどの程度の断熱性能(UA値やQ値)を持っているか、気密性能(C値)は平均でどれくらいかなども確認しておくべきでしょう。

アルミ樹脂複合サッシor樹脂サッシは結露しません

これも嘘です(直球)。

サッシが何であれ、条件がそろえば結露はします。
サッシ、結露などでブログを検索すればいくらでも出てくると思います。

一応補足しておくと、アルミサッシと比較してアルミ樹脂複合サッシのほうが結露しにくいのは確かですし、樹脂サッシはさらに結露しにくいことは確かです。

そもそもサッシが結露する理由は、冬の外気でサッシが冷やされ、その冷えたサッシで空気が冷やされるため。

ざっくりいえば、気温が低いほど、空気が含有できる水蒸気量が減ります。
そして樹脂のサッシは外気の影響を受けにくい(冷えにくい)ため結露がしにくいのです。

しかし、部屋の湿度が適正よりも高い場合は、樹脂サッシとはいえ結露しやすくなります。

大切なのは結露をする仕組みを理解し、それ相応に対策をすることです。
樹脂サッシの採用は有効な手段ですが、それだけでは不十分ということです。

断熱材でしっかり断熱しているため窓の性能は低くても大丈夫です

これは全くの嘘ですね。

どんなに断熱材を入れても、窓の性能が低ければ外気の影響を大きく受けます。
以下の図を見てください。


窓からの熱の流入出比率 by YKKap

これを見ると、熱の出入りは窓からの割合が圧倒的に多いことがわかります。
つまり、窓の断熱性能こそ重視すべきということがよくわかると思います。

壁の断熱がよくても、窓の性能が低いとその周りだけ著しく外気の影響を受けるため、温度差によって不快になりますし、特に冬は結露の原因になります。

断熱で重視すべきはまず窓からということは常に意識してください。

うちのグラスウールは高性能なので高断熱です

これはクロセが実際に言われた発言です。

確かにそのメーカが使用しているグラスウールは高性能グラスウールの16Kでした。

しかしながら、この高性能グラスウールの16Kは今ではほぼ一般的に使われており、今ではそこまで特別なものではありません。

また、どんなにいい断熱材を使っていても、結局厚みがなければ断熱性が高いとは言えません。

断熱性で大事なことは、断熱材の性能と厚みです。
断熱材の性能だけでは決まらないのです。

こんな言葉に騙されずに、使用している断熱材の熱伝導率と厚みを確認し、自分が目指す断熱性能が満たしているかを確認しましょう。

気密が高いと息が詰まるし換気にもよくありません

気密が高くてもしっかり換気されていれば問題ありません。

また、気密が高いからこそ計画通りにしっかり換気されます。
それをわかりやすく表したグラフが↓です。

kimitsu

このグラフは第3種換気でのC値と給気口から給気される空気の割合を示しています。
第3種換気で計画通りに換気されるにはC値が1.0必要といわれていますが、それでも50%程度しか給気口を通らないというのです。

それ以下の場合は、半分以上は隙間から入ってくるわけで、これでは計画通りに換気なんてされるわけありませんね。

そして気密性が低いと計画通りに換気されないために湿気が取り除けず、室内の湿気が隙間から壁内に入り込んで壁内結露の原因になってしまいます。

また、隙間から入った空気はフィルターを通していない汚い空気や花粉などが含まれているため、健康に悪影響を与える可能性があります。

フィルターがついていて熱交換型の換気システムを取り入れても、隙間から風が入り込むのでほとんど意味がなくなってしまいます。

気密が低いほうがいいというのは全くの嘘といえるでしょう。

グラスウールは内部結露が発生しやすいのでお勧めしません

ウレタン系の断熱材を使うメーカではよく言われる気がします。
グラスウールがカビなんかで黒くなっている写真やモデルとセットで出てくることが多いですね。

実はこれも本当ではありません。
そもそもグラスウール自体に吸水性は全くありませんからね。

防湿や通気の技術が確立する前は、壁内に湿気が入った際にそれがうまく抜けていかないため内部結露が発生したということだったようです。

そして、その当時よく使われていた断熱材がグラスウールだったため、そのような誤解が生まれてしまったようです。

今ではこういった問題が起こらないように技術が確立しており、正しく施工されていれば内部結露がそう簡単に発生しないことがわかっているようです。

グラスウールは隙間なく正しく施工することが難しく、そのせいで内部結露が発生しやすいというのも誤解が生まれた原因の1つでもあります。

補足として言っておくと、グラスウールを隙間なく正しく施工することが難しいというのは本当のようなので、そういう意味では内部結露が発生しやすいとも言えます。

湿気がグラスウールの隙間に入り込んで結露すると断熱性能が落ちますし、その水分でずり落ちてしまうことがあるのも事実のようです。

しかし、これもグラスウールが悪いわけではなく、正しく施工できないのが悪いというだけです。

グラスウール自体は断熱性能自体は断熱材の中でもそんなにいいわけではありませんが、燃えないですし何よりコストが安いというコスパに優れた断熱材だと思います。

UA値はあとから窓を減らせばいくらでも改善できます

確かに窓を減らすことでUA値を減らせるんですがいくらでもは言い過ぎですし、言われ方があまり印象良くなかったんですよね。

大手メーカと窓の話になった時に、UA値を改善するために窓をアルミ樹脂サッシのペアから樹脂サッシのトリプルに変更したいと希望を出したところ、若干切れ気味にこう言われてしまったんですよ。

もともと予算オーバー気味の提案だったので、これ以上見積もりの金額を増やしたくないと思ったんでしょうが、ちょっと乱暴な言い方だなあと感じましたね。

窓はないほうがUA値はよくなりますが、日射が入らなくなるのでその熱を利用することができなくなってしまいますし、常に真っ暗な部屋になってしまいます。

日射を光源と熱として利用するために最低限必要な窓がありますし、出ていく熱と入ってくる日射の収支を考慮して配置するべきです。

それにオール樹脂のトリプルガラスのほうが結露しにくくなるし、窓付近の温度差を低減できますしね。

窓をできるだけ少なくするのは大事ですが、いくらでも減らせるというのは言い過ぎですし、窓をなくせばいいというものではありません。

そもそも居室とする場所は法律で最低限必要な日射面積を定めていますからね。
窓を減らせばいくらでもUA値を改善できるというのは色々と無理があるわけです。

エアコンの風が苦手なら熱交換型の第1種換気がありますよ

嫁がエアコンの風が苦手なんですが何か解決法ないですか?
と聞いた時の回答がこれでした。

営業から言われた発言で1番わけがわからなかったです。

当時は勉強不足の部分もあり、それでわからないだけかなあと思っていたんですが、ある程度勉強した今でも意図がよくわかりません。

熱交換型の第1種換気にすることで、換気による熱の流出を低減できるわけですが、エアコンの風が苦手なことと一体何の関係があるんでしょうか…?

熱が逃げにくくなるからエアコンを弱くできるとかそんな感じなんでしょうか?
いまだにこの発言の意図が全く分かっていません。

とはいえ熱交換型の第1種換気は良さそうなので見積もりに入れるようにお願いしたんですけど、この後の最終打ち合わせで「外気を感じてもらいたいので第3種換気を提案します!」とか言ってきました。

いやなんでやねん。
外気なんて感じたくないから高気密高断熱を要求しとるやないかい。

きっと彼の頭には春と秋しかないんでしょうね。
夏と冬に外気感じたら不快なことこの上ないんですが。

ぶっちゃけ積水ハウスの営業さんだったんですけど、国内でトップのハウスメーカでもこんな感じなのか…と思ったのが正直な感想です。

この一件で感じたことは、大手の営業さんでもよくわからないことを言うし、勉強不足だったりこちらの要望をちゃんと聞いてない人いるんだなということですね。

大手だから安心なんてとてもじゃないですが言えないですね。

終わりに

こうやって書きだしてみて感じたことは、まず営業を簡単に信じてはいけないということですね。

ほとんどの人が、施主のためではなく家を売るために手を尽くしてくると考えたほうがいいです。
もちろん全員がそうだとは言いませんが、それぐらい警戒しておいたほうがいいというお話ですね。

そしてこれらの嘘やごまかしを見破るために、施主側は自ら勉強して正しい知識を可能な限り身につけるしかありません。

また、おかしいと思ったところはガンガン突っ込んでいきましょう。
それでボロが出るようであれば、その程度の営業というだけです。

あとはとにかく営業に流されないことですかね。
打ち合わせが長引いてくると疲れてきて「もういいか…」という気分にさせられそうになりますが、あなたは数千万もの買い物をしようとしているのです。

決して妥協せず、強い意志を持って打ち合わせに望みましょう。

では。

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