高断熱を目指すなら窓にこだわろう

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皆さん、スクウェア・エニックスのゲームというと何が思い浮かぶでしょうか?

ファイナルファンタジー、ロマンシングサガ、ドラゴンクエスト、スターオーシャンなど…
大体の人がシリーズ物のRPGを思い浮かべるのではないでしょうか?

個人的にはサガシリーズが一番好きですが、ある意味それらよりもインパクトに残るゲームがありました。

その名もアストロノーカ。

何をするゲームかというと、宇宙で農家になって作物を育てるゲームです。
宇宙らしくスケールが大きく、作物は惑星ほどの大きさになり、重さは星より重くなります。

まあ、このゲームで一番面白いのは作物を食べる害獣を罠にはめるミニゲームなんですけどね。

なんのこっちゃという人は、今すぐアーカイブか何かでプレイだ!

では本編入りまーす。

今回は初心に返ってに関する話をしてみようと思います。

割といまさら感あるし、今までも度々お話している内容ではあります。
ただ、窓の話としてまとめたことはなかったので記事にしようと思った次第です。

下の図を見るとわかりますが、窓から出入りする熱の割合は、家全体に対して5割以上といわれています。


窓からの熱の流入出比率 by YKKap

断熱性をよくするために窓がいかに重要かわかりますね。
高気密高断熱の家を目指す人は、必ず窓の性能に注意してください。

正直、すでに窓の話をまとめていただいている猛者たちはいるわけですが、もしかしたらこのブログだけを読んでいるという変わり者(失礼)もいるかもしれませんので、書くだけ書いてみます。

窓の性能によって何が変わるのか

窓の話をしていくために、まずは窓によって何が変わるかを話しておきます。

断熱性

窓によって、熱の通り易さが変わります。
熱の通り易さは主にU(熱貫流率)という値で表されます。
Uの値が低いほど性能が高く、熱が通りにくくなります。

窓の断熱性は大まかにサッシの種類と窓の数によって性能が決まります。

窓の断熱性が高いと、外気の影響を受けにくくなるため温度調整がしやすくなります。
また冬に結露が発生しにくくなるという利点があります。

冬の結露のしやすさについて図にしてみました。

図では、「屋内の空気」「外気の影響で低温の窓やサッシ」に触れて冷やされている状態を表しています。

結露は、おおざっぱにいうと空気が低温の物体に触れて冷やされると発生します。
また、空気と低温の物体との温度差が大きいほど結露しやすくなります。

窓の断熱性が低いと窓やサッシが冷えやすいので、結露が発生しやすくなります。

そしてこの結露が原因でカビが生え、さらにこのカビ自体や、カビを餌にして繁殖したダニが体に悪影響を及ぼすわけです。

まとめると、窓の断熱性能は外気の影響を小さくすることはもちろんですが、冬に窓やサッシが冷えて結露の原因になることも防ぐ役割をするわけですね。

気密性

窓は種類によって気密性が変わります。

代表的な例を出しますと、縦すべりの窓は気密性が高く、引き違いの窓は気密性が悪いといわれています。

引き違い窓(左)と縦すべり窓(右) by YKKap

引き違い窓の気密性が悪い理由は、真ん中の窓同士がすれ違う部分に隙間があるからです。
下図の赤丸の位置です。

引き違い窓の隙間

また、サイズが大きい窓ほど隙間もその分大きくなります。
高気密を目指すならばそのあたりも気を付けてみましょう。

日射取得率

日射取得率は日射の入り込みやすさを示した性能です。
値が大きいほど光が入りやすいことを示します。

日射は取り込むことで暖房を節約することに貢献します。
一方で、不要な日射を取り込むと不快の原因になります。

日射に関して言えば、大まかに分けて日射を取得しやすい日射取得型の窓と、日射を遮る日射遮蔽型の窓があります。

断熱性ともかかわってくるのでちょっとややこしいですが、迷ったら全て日射遮蔽型の窓にするといいでしょう。
また、南側から日射を取り込めそうなら、南向きの窓は日射取得型の窓にするといいです。

ただし、日射取得型の窓を使用すると、暑い夏場にも日射を取り込んでしまうため、何かしらの方法で日射を遮蔽する方法を考える必要があります。

窓の性能まとめ

以上が窓の性能です。以下に項目をまとめます。

 ・断熱性
 ・気密性
 ・日射取得率

窓を選ぶ際はこれらに気を付けましょう。
では次に、窓の種類によってこれらがどう変わるかを説明します。

窓のサッシにこだわる

窓のサッシは材質によって性能が大きく変わります。
一般的に使用されているサッシの材質は樹脂、アルミ、アルミと樹脂の複合、木製などです。
断熱性の性能順は以下の並びです。

[断熱性:高] 木製>樹脂>アルミ樹脂複合>アルミ [断熱性:低]

性能だけ見ると、木製サッシの断熱性が一番大きいことになります。

しかし、木製サッシはメンテナンスをしないと腐ってしまいます。
また、窓のすべりが悪く開きにくい、価格が高いなどのデメリットもあります。
断熱性は高いですが、全体のバランスは悪いです。

次に性能が高いのは樹脂サッシです。
こちらも価格は高めではありますが、2019年現在ではすでに値段もこなれてきており、これよりも性能が低いアルミ樹脂複合サッシや、アルミサッシとの価格差は小さくなっています。
木製と異なり、特別なメンテナンスは必要がありませんし、窓も普通に開閉できます。
断熱性の高さだけでなく、全体的なバランスも良好です。

そこから1つ性能が下がってアルミ樹脂複合サッシです。
複合サッシとは以下の図のようにアルミと樹脂を組み合わせたサッシです。

「ykkap エピソード」の画像検索結果
アルミ樹脂複合サッシ by YKKap

アルミは耐光性や強度が高く樹脂は断熱性が高いため、それらの特性を合わせたサッシにするというコンセプトで作られたサッシです。
樹脂サッシよりフレームが細く、やぼったさをなくすことができます。
ただし、現在は樹脂サッシも劣化に強くなっており、フレームも昔より細くなりました。
上記のため、アルミ樹脂複合サッシは性能が下がった樹脂サッシのような立ち位置の印象です。
価格的にもそこまで大きく変わりません。
どうしてもアルミ樹脂複合サッシの意匠性があきらめきれないなら、樹脂サッシに迫る性能を誇るLIXILのサーモスXシリーズをお勧めします。

最後にアルミサッシですが、ほとんどのハウスメーカではすでに使用されていませんが、賃貸のマンションではいまだに見かけます。
アルミのため、強度はあるものの、熱を伝えやすいため外気の影響をもろに受けてしまいます。
前述のとおり、家全体の中で窓から出入りする窓の割合は5割以上とも言われています。
そんな場所に熱が通りやすいアルミサッシを使うとどうなるかは想像に容易いかと思います。
どんなに安くても、今後かかる光熱費で大きく損をすることになるため、これから家を建てる人は絶対につかってはいけません。

ちなみに紛らわしい名前のものでアルミクラッドサッシというものがあります。
これはアルミサッシとは別物で、樹脂や木製のフレームをアルミで囲ったサッシです。
性能は非常に高く、アルミの意匠性も持ち合わせていますが、標準で扱っているメーカはおそらくほとんどないため、非常に高価になると思います。
使う場合は、よく相談してからにしましょう。

サッシまとめ

サッシに関しては以上です。

いくつか紹介しましたが、クロセ一番のお勧めはオール樹脂サッシです。
木製は高くてメンテナンス性が悪く、アルミや複合サッシは性能面に難があります。
価格、性能などのバランスはオール樹脂サッシが一番いいと思います。

ガラスの枚数にもよりますが、オール樹脂であれば今では価格がこなれて来ているため、そこまで高くはないはずです。(大手ハウスメーカだと結構なオプション料金になりますが)
断熱にこだわりがあるメーカであれば、オール樹脂を標準にしているメーカもあるでしょう。

窓のガラスにこだわる

窓といえばガラスも重要です。
これによって断熱性、日射取得率が変わってきます。

ガラスの枚数

まずガラスの枚数を選ぶ必要があります。
代表的なものだとトリプル(3枚)、ペア(2枚)、単板(1枚)があり、枚数が多いほど断熱性が高く、日射取得率が低い傾向にあります。
価格も枚数の多さに比例して上がっていきます。

個人的にはトリプルガラスを使うことを推奨しますが、一般的にはペアガラスが一番多く普及しており、価格的にもトリプルとペアではまだまだ差があります。
最低限でもペア、お金に余裕があればトリプルを採用しましょう。

一方で、単板の窓は今ではまず使われているのを見かけることはありません。
間違っても、そんな窓を使用しているメーカとは契約をしないことをお勧めします。
(さすがにいないと思いますが)

ちなみに、前述の通り日射取得率はペアガラスのほうが高いため、日射取得を確保できる窓にはあえてペアガラスを採用することで日射を利用しつつ、コストを下げるという方法もあります。
だからといって単板の窓だと日射による利点より断熱性が低いデメリットのほうがはるかに上回るため、絶対に使用しないようにしましょう。

Low-Eガラス

窓ガラスの構成 by YKKap

Low-Eガラスとは、ガラスに特殊な金属膜を張ったガラスのことです。
このガラスがあると、窓ガラスの断熱性が大きく上がります。
トリプルガラス、ペアガラスの場合、このガラスがどこにあるかで性能が変わります。

ペアガラスの場合、2枚のうちLow-Eガラスが屋外側にあると太陽光を遮り(日射遮蔽型)室内側にあると太陽光を取り込みやすくします(日射取得型)。

トリプルガラスの場合、3枚のうちLow-Eガラスが屋外側と屋内側にあると太陽光を遮り(日射遮蔽型)、真ん中にあると太陽光を取り込みやすくします(日射取得型)。
※注)APW330のトリプル仕様だとまたちょっと変わります。

自分で窓を選ぶ際は、日射遮蔽型か日射取得型で覚えておけば、Low-Eガラスの位置を意識する必要はありません。

まずないと思いますが、Low-Eガラスが使われていないものは選ばないようにしましょう。

ガラスの色

窓にこだわるなら、窓ガラスの色にもこだわっていきましょう。

知らない人が多いと思いますが、窓ガラスの色によって断熱性や日射取得率が微妙に変わります。
代表的なトリプルガラスの窓であるAPW430で比較してみましょう

引き違い窓
APW430 日射遮蔽型 色:ニュートラル 日射取得率:0.47 熱貫流率:0.77
APW430 日射遮蔽型 色:ブルー    日射取得率:0.30 熱貫流率:0.75
  

APW430ではブルーと比べてニュートラルの日射取得率と熱貫流率が高いことがわかります。
つまり、日射を取得したい南向きの窓ならニュートラル色を、それ以外(北西東向き)の断熱を重視して日射をあまり入れたくない窓はブルー色を使用するといい感じになります。

これはあくまでAPW430の例ですが、他の窓でも同じように色を選ぶことができます。
色ごとに性能の違いがないかを確認し、場所に併せて適当な色にしましょう。

ガラスまとめ

ガラスに関しては以上です。
要点を以下にまとめておきます。

 ・ガラスの枚数は多いほど断熱性が高く日射取得率が低くなる。
 ・枚数はペアが最低限。余裕があればトリプル。単板は論外。
 ・Low-Eガラスの場所によって日射取得型と日射遮蔽型が存在する。
  窓の方角や日射の有無で適当なものを選ぶ。
 ・ガラスの色によっても性能が変わる。

特に、日射の有無を考慮したガラス選びは難しいと思います。
日射が取得できるかわからなければ、断熱性だけ重視してしまうのもありです。
日射遮蔽自体は庇や簾、外付けブラインドなどでも調整できますからね。

窓の種類にこだわる

最初の方でも述べましたが、窓の種類によっても性能が変わります。
代表的なものが引き違い窓縦すべり窓

引き違い窓(左)と縦すべり窓(右) by YKKap

引き違い窓は気密性が悪く縦すべり窓は気密性がいいです
特にサイズが大きい引き違い窓である掃き出し窓は、気密性の観点からあまり乱用すべきではありません。

高気密にこだわるなら、窓自体を可能な限り少なくするというのも大事ですが、使う窓もできるだけ引き違いは避けるようにしましょう。

ただし、引き違い窓縦すべり窓よりも大きく開くことができます。
1Fにあれば冷蔵庫や洗濯機といった大型の家電や家具の搬入がしやすいのも便利ですし、2Fであれば物干し金物を付けることで、布団を干すこともできるでしょう。

1F南側に大開口の掃き出し窓を設置しておくと、日射を大きく取得でき、家具・家電を搬入でき、外の景観がよければその景色を生かすことができます。

気密性にこだわって引き違い窓を避けることはいいことだと思いますが、引き違い窓ならではの良さもあるので、生活を想像しながらうまく利用しましょう。

詳細は割愛しますが、縦すべり窓は開いた窓で風を受けることができ、横からくる風を取り込みやすいという利点もあります。

上記以外に、開くことができないFIX窓というものもあります。
開くことができない分、前述の窓より気密性が高く、コストが安く済みます。
開く必要はないけど日射を取り込みたい場合に活用していきましょう。

窓の種類まとめ

窓の種類については以上です。
ざっくり以下のようにまとめるといいと思います。

 縦すべり窓は気密性が高く、風も取り込みやすい
 ・引き違い窓は気密性が悪いが、大きく開くことができる
 ・FIX窓は日射を取り込むだけの窓に有効

こんなところでしょうか。
メーカのホームページにはこれ以外の窓もラインナップにありますが、基本的には縦すべり窓と引き違い窓を応用しているだけなので、この2つの窓について知っておけば問題ないはずです。

各窓の特性を理解して有効に活用していきましょう。

まとめ

今回は窓について気を付ける点をいろいろ書いてみました。
繰り返しになりますが、以下の項目にこだわってみてください。

 ・サッシの種類(オール樹脂推奨)
 ・ガラスの種類(日射取得型・遮蔽型)、枚数、色、
 ・窓の種類(基本は縦すべりを中心に)

これらを意識しつつ、自分の予算と相談しながら選んでいきましょう。

また、過去に窓と日射・通風の関係を書いた記事もありますので、よければご参照ください。

正直、私もまだまだ完全に理解できていない気がします。
これからも精進していきたいですね。

では。

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