住宅のサブスク「HiL」がなかなか熱い件

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8月に入り世間ではぼちぼち夏休みなんて言う人も多い頃でしょうか?

クロセはというと、いわゆる長期休みはとってないです。

弊社においては夏休みを数日与えられるのですが、取得の仕方が特に決まっていないのです。

どうせ長期休みを取ってもこの状況ではどこにも出かけられないので、8月が週休3日になるように調整しました。

いや~毎週3連休あると気持ちが楽ですね。
仕事を片付けるのが大変ですけど(;´∀`)

どこかの会社では完全週休3日制をとったところ業務の進捗が改善されたなんて言う話もあるようですが、私には到底無理ですね。

では本編入ります。

一部の好事家の間ではすでに注目されている「HiL(HOME i LAND)」と呼ばれている住宅(サービス?といえばいいのかな)というものがあります。

情報自体は結構前から発表されており、私も名前とサービス内容はなんとなく把握していたのですが、最近になってツイッターで詳細な情報が記載されているページを教えていただいたのできちんと見てみました。(マッ〇ーさんありがとう!)

そしてその内容がかなり素晴らしいものだったということで、ちょっと自分なりに考察をしてみたくなり記事にしてみました。

これから家を建てたいという人にとって、選択肢になるかもしれません。
(クロセもまだ建てていなかったら選択肢に入っていたと思います。)

高性能な家が欲しいけどちょっと価格が…という人には朗報かと思います。

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HiLとは?

早速ですが、HiLについて紹介です。

HiLとはワールドハウジングクラブという株式会社が提供するサービスで、いわく「住宅のサブスクリプション」だそうです。

HiLにはいくつかの規格住宅が用意されており、各工務店は利用料を払うことでその規格住宅を「自社の商品」として建てることができるというサービスだそうです。

また、規格住宅を利用する側ではなく、提供する側としても登録することができ、自分が設計した住宅が販売された場合はお金をもらうこともできるそうです。

つまり、どちら側にしても工務店や設計士向けのサービスということになります。

FCっぽいけど、本社があってそこに加盟店として登録するという形ではないのでサブスクリプションと呼んでいるのでしょう。

まてまて、業者向けのサービスなら施主は関係ないのでは?

と思われる方もいるかと思いますが、注目してほしいのはその提供される「規格住宅」です。

HiLが提供する規格住宅とは?

さて、HiLが提供している規格住宅ですが、以下のページに概要が載っています。

» HiLとは HOME i LAND | HiL

HiLでは複数の規格住宅を提供していますが、いずれのモデルも「耐震等級3」「UA値0.46以下」が標準になっています。

加えて、窓もすべて「樹脂サッシのトリプルガラス」採用だそうです。

省エネ区域6地域においてはHEAT20のG2グレードをクリアしており、一条工務店を除く大手と比較しても遜色ない性能といえるでしょう。

1~5地域ぐらいになると物足りなさがあるかもしれませんが、6~8地域であれば十分に高性能だと思います。
おそらく、普及を考慮して地域が最も広い6地域に焦点を当てているのかなと思います。

そして恐ろしいのはその値段です。
このページにて以下のような記述がされております。

住宅キットによる住宅は、1200〜1700万円程度を予定しており、「年収400万円の人でも建てられる家」(ワールドハウジングクラブ 商品開発統括部部長の東克紀氏)を想定する。

この1200~1700万程度というのが施主が払う価格なのか、工務店がそこからさらに利益をくわえるのかはわかりませんが、仕様を考えるとかなり破格だなと思いました。

住宅ごとにはコンセプトが当然あり、それは以下のページで確認することができます。

HOME i LAND | HiL

ちなみに提供している住宅の中には「エコハウス超入門」「ホントは安いエコハウス」の著者である松尾設計室の松尾さんが設計したものもあります。

コンセプトは「エアコン2台で家中涼しく暖かい」だそうで、松尾さんらしい家だなと感じました。

ここがすごいぞHiL

HiLの情報を見ていて感じたことが「高性能な住宅の普及」のためにかなり色々工夫されているなと。

高性能住宅の普及における今の問題点は「価格の高さ」「設計から施工の時間」だとクロセは考えています。

価格面に関しては例えローコストメーカだとしても、省エネ区域6でHEAT20G2グレードを達成しようとするとそれなりに費用が上がると思っています。
(これは実際にアイ工務店で建てた経験からもそう感じます。)

今回の規格住宅をみると延べ床面積はおおよそ30坪程度になるようですが、もしこれが前述の通り高くても1700万程度に収まるのなら、坪単価60万以下ということになります。

性能から考えるとかなり低価格だと思います。

設計から施工の時間に関しても、人気の工務店では2年待ちなんて言うこともあるようです。

2年もあれば家賃でいえば200万ぐらいかかることもあるでしょうし、とてもじゃないけどそこまで待てないという人もいるでしょう。

一方でHiLはというと、そもそも規格住宅なので設計にはほとんど時間がかからず、せいぜい仕様決め程度ですので、設計の負担は非常に低いと思います。

何なら設計士がいらないレベルかもしれませんね。

また、施工期間に関してはこのページで以下のように語っています。

住宅キットは、新開発の高性能パネル「未来パネル」を採用。未来パネルは、窓一体型パネルなど、進化する住宅部品で、工場生産でパネル化し、現場でそれを組み立てる。これにより、高性能な住宅を自社ブランドとして販売できるほか、工期の短縮にもつながる。ワールドハウジングクラブによると、未来パネルを用いることで、今までの25%の施工期間で住宅建設が可能になるとしている。

なんと施工期間が従来の4分の1だというのです。

これは施主側としても早く住めるというメリットがある一方で、施工業者側にとっても人件費の削減や、回転率アップによる利益の増大化につながります。

当然、これだけ施工期間が短いなら普及にもつながります、

大工の人手不足が叫ばれている昨今において、このメリットは非常に大きいといえるでしょう。
利益率の高さ次第では、若い世代が増えるということもあるかもしれません。

このように、どこをとっても普及させるということをよく考えられているなと思いました。

今の高性能住宅は一条工務店も含めて「いいものは高い」という傾向になりつつありますが、それに対するアンチテーゼともいえるかもしれません。

…まあ実際の価格はまだわかりませんが。

ここは頑張れHiL

施主にとっても施工業者にとってもメリットが多いHiLですが、一方で解決しなければならない課題もいくつかあるなと思いました。

まず、狭小地や変形地への対応です。

モデルハウスのページを見ても、一番細くて6m強でした。
(一応6m以下のモデルもありますが、延床15坪ほどの事務所みたいな感じでした)

私の住んでいる京都でもそうですが、利便性がいい場所ほど狭小地というパターンは結構多いです。
クロセ家も土地の幅は6mくらいです。

この辺りはどこかの設計士が提案してくれることを祈ります。

次に、知名度がまだまだ低すぎるかなと。

多分、このサービスを知っているのは一部の好事家だけでしょう。

ただ、大きく普及をさせたいなら特に住宅に興味がない人に認知してもらう必要があります。

その点は、今後どのように展開しておくと楽しみにしておきます。

最後に施工業者の少なさと不透明さでしょう。

まだサービスも始まったばかりなのでこれから増えるかもしれませんが、まだまだ施工業者が少ないようです。

加えて言うと、このサービスはあくまで施工業者向けの物なので、公式HPをみてもどこで対応してもらえるか情報をみることができず、不親切だと言わざるを得ません。

これは「お金を払えば各施工業者の自社商品として扱える」という形式にしているためにあえて公式では情報を載せてないと思うのですが、かえって足かせになっている気がしてなりません。

今後、対応する予定はあるかもしれませんが、少なくとも紹介を希望している施工業者を早々に閲覧できるようにしたほうがお互いのためかと思います。

この中でも特に知名度は普及に大きく影響しますので、高性能住宅を増やしていくためにも宣伝活動を頑張ってほしいところです。

終わりに

色々課題もあるHiLですが、そのポテンシャルは非常に高いように思えました。

この販売方法が成功していけば、寒冷地向けのより高性能なモデルなんかも出てくるかもしれませんね。

クロセが最近よく思うことが、高性能住宅は安くないなってことです。

光熱費が下がるといっても、所詮はその一部である冷暖房費だけであり、G1グレード以上になってくると、払ったコストをペイするのは厳しいんじゃないかなと思っています。

いいものは高いのは当たり前というのはよくわかるのですが、一方で可能な限りイニシャルコストもランニングコストも安くするために最大限努力されているかというのを思うようになってきました。
(実務者からしたら素人の分際で何言っているだと思うでしょうが)

そんな中で、規格住宅とはいえこの価格と性能で出してきたHiLの回答は素晴らしいものだと思いました。

知名度が大きくなればいい加減なことをしてきた業者は淘汰されていくかもしれません。
何せいい家なだけでなく、価格面も安いときていますからね。

ちゃんと「普及」を見据えているなと思いました。

今後このサービスが期待通りに広まっていくかどうか、陰ながら応援しつつ追ってみようと思います。

では。

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