外出が難しい状況が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
クロセは相変わらずちょっと散歩に出かけることはありますが、買い物やお出かけは最低限で済ませています。
雨の日があると散歩も難しいので息子が暇そうでかわいそうになりますね。
ということで、楽しめるように嫁さんがこんなものを買ってきてくれました。

子供が遊ぶ用の家庭内テントですね。
フライングタイガーで2000円程度らしいです。
まあ、子供よりクロセ夫婦のほうが楽しんでましたが。(´∀`;)
さて、本編入ります。
少し前に、クオホームさんがこんな動画をアップされていました。
内容はアイキャッチ通りのものです。
これから家を建てる人にとっては重要な話ですので是非ご視聴してみてはいかがでしょうか?
そしてクロセが注目したのは「高気密高断熱は目的ではない」というところですね。
高気密高断熱を求める理由は大体の場合、快適性と省エネを求めるためであり、賞の取得を目指していない限りは高気密高断熱自体は目的にはならないわけですね。
家の勉強をしていると、ついついUA値・Q値を下げることに躍起になってしまいがちですが、大事なことは自分が快適に過ごせることです。
そしてさらに気を付けなければならないことが、高気密高断熱は省エネのため、ランニングコスト的に省コストになると思われがちなことです。
しかし、実はそうとも限らないことを今回は書いてみようと思います。
省エネが省コストにならない理由
では早速理由を話していきましょう。
断熱性を上げれば上げるほど省エネにはなりますが、ある一定以上の断熱性からはかける費用に対して見込める省エネの効果が小さくなっていきます。
そしてある一定以上を越えるとイニシャルコストに対してランニングコストの低減効果が見合わなくなっていきます。
ではどれくらいの断熱性能から元が取りにくくなるのかですが、HEAT20という住宅の高断熱化を推奨している組織からは以下のような資料が出ています。

上のグラフは、各断熱性の基準におけるイニシャルコストとランニングコストの総計を示したものです。
この資料によるとHEAT20のG1クラスの断熱性がコスパ的には最適なことが示されています。
そしてそれ以上の性能を求めると、少しずつではありますが総合的なコストが上がることも示されています。
以上から、一定以上の省エネ性能(断熱性)が省コストにならないことがわかります。
省コストの観点でいえば、HEAT20のG1クラスの断熱性を満たせてしませば、そこからは断熱性よりも他にもお金をかけるべきなのかもしれません。
例えばメンテナンス費を抑える外壁や屋根、給湯のコストを抑えるエコキュートの導入、耐久性のある躯体やそれを保つ防蟻、ソーラーパネルや蓄電池の導入などです。
省コストを目指すならば、盲目的に断熱性能を上げればいいというわけではないわけです。
HEAT20 G1以上の断熱性は無駄なのか?
さて、コストの観点ではHEAT20のG1クラスが最適というのがHEAT20公式の見解のようですが、それ以上の断熱性能を求めるのは無駄なのか?
答えはNOです。
コストの観点で見るとG1が最適というだけであり、快適性の観点からいえば、個人差はあれどもより上位の断熱性能を有しているほうが快適といえるでしょう。
ここで先ほどのグラフをもう1度見てみましょう。

確かにコスパ的にはG1クラスが一番低いですが、それよりも上位の断熱性能でもそこまで費用は大きく変わっていないとも言えます。
にもかかわず、快適性はより上がるのですから、G1以上の断熱性能を目指すことは無駄などころか、お得ともいえるかもしれません。
そしてグラフの注釈に注目してもらいたいですが、これはあくまで建築費に30年間住んだ時のランニングコストですので、より長期の暮らしになると結果は変わっていくでしょう。
これも結局自分が何を家に求めるかというのがポイントになるわけですが、快適性を求めて何十年も暮らしていきたいならば、G2、さらには最近制定されたG3クラスの断熱性を求めてもいいのかもしれません。
もちろん、自分が出せるお金によりますけどね。
実務者からいただいた意見
この記事を書くにあたって、似たようなことをツイッターでつぶやいていたのですが、実務者の方からこんな意見をいただきました。
田上さんは鳥取にて高気密高断熱の家を推奨し建てられている「やまのすみか」の代表取締役であり、家系ブログを盛り上げる会の会員さんでもあります。
標準仕様でUA0.3以下を目指し、Cも0.3以下保証という高気密高断熱の中でもかなりハイレベルの家を建てておられます。
詳しくは以下のページをチェック!
その田上さんから頂いた意見は、共感できる部分が多いです。
前述のとおり、30年間を想定したコスト面ではG1クラスが最適といわれています。
しかしながら多少コスト的に損をしたとしても、それだけの価値があるとクロセ自身も感じています。
クロセは実際にG2クラス以上の断熱性能の家に住んでおり、その快適性は投資するだけの価値があると思います。なんなら将来リフォームでもう少し断熱性能を上げようか考えているくらいです。(´∀`;)
また、今後エネルギー単価が上がっていけば、それだけ高断熱の家のランニングコスト面で優位さが上がっていきます。
さらに、給湯設備やソーラーパネルは10年~20年ぐらいで寿命が来るかもしれませんが、家の性能は正しく作られていれば何十年も効果を発揮し続けることも大きいでしょう。
そして最後に述べているより良い(中古住宅の)ストックが地域に残ってほしいという考え方は、実務者側としても施主側としても、さらには国としても大事な話かなと思います。
日本には中古住宅が結構残っていると聞いたことがありますが、それらの住宅のほとんどが性能面では芳しくないものであろうと推測しています。
いまだに日本で新築が買う人が多いのもこれが大きな要素でしょう。
しかしながら、真に性能が高い住宅が当たり前のように作られるならば、欧米の様に中古住宅の売買も活性化し、高性能な住宅が資産価値を持つようになるかもしれません。
家のために消費される資材も減れば、住宅の冷暖房に必要なエネルギも減りますでの一石二鳥ですね。
その為には、我々施主側も内装や外装の美しさだけでなく、性能が施主にもたらす利益がどれほど重要であるかを我々が理解する必要があります。
終わりに
さて、少し話がそれてしまいましたが、結局言いたいことは高気密高断熱というものは手段であって目的ではないため、各々が高気密高断熱を目指す理由をもって目指すべきということです。
近年ではセールストークとしても高気密高断熱という単語が多用されるようになりましたが、我々が欲しい家は快適だったり、省コストの家なわけです。
従いまして、各々がなぜ高気密高断熱の家を目指すか目的を持ち、それに合わせた家に仕上がるように業者と話を進めるよう意識したらいいのではと思います。
特に省コストの観点では前述したように、断熱性以外にも各種メンテナンス費用を抑えるための要素があるわけですから、いろいろな視点で見ることが大事です。
また、どの程度の断熱性を目指すかというのは施主の感覚、地域の気候、土地の日当たりなどによって変わるため、以下の記事にも書いているように色々な住宅見学会に参加して自分にとって快適と感じる家に必要な性能を体で覚えるといいと思います。
そしてこんな話をしていると、自分ももっといろいろな家を見学をしたらよかったなあと今さらになって思います。(;´Д`)
では。
コメント